茶の湯展、2回目行ってきました。
もう茶器にハマってます。はい。

陶器にも色々ありまして、すごく整った青磁器やら、千利休が好んだ侘びの黒楽茶碗、
それに古田織部が好んだ歪んだ水指など。

これらの陶器は歌と同じなんだって思ったんですよ。
僕の陶器を見る感性と、歌というのが一致したんですね。

それは何かって言うのを説明していきます。

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はい、まずこの青磁器。
図録を写真に撮ったものなので紙の歪みが出てますが、これってかなり精密に左右対称なんです。
曲面も綺麗で本当にきちっとしている。
なんだか工場で作ったような正確さなんですよ。
でも、僕はこれ見ても、感動しないんですね。
工業製品でこのようなものを多く見てるからでしょうか。
あの時代にこれだけの精巧なものを作ったことはすごいと思いますが、ただすごいねって感じるだけなんですよね。

これって歌に例えると、リズムもピッチ(音程)も全部ぴったりに修正した歌なんじゃないかと。
別に修正してなくても、ものすごい技量がある歌手ならぴったりに歌うことできますけどね。
ぴったりにすることだけを目的として歌ったもの、修正したもの。

そんな感じを受けました。


次にこれ!
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これは利休が好んだ黒楽茶碗。
これはぴったり左右対称じゃないんですよ。
ほんのちょっとだけ歪みがあったり、表面のざらつきに表情がある。

これは歌に例えると、上手い歌手の歌ですね。
「上手い」の定義は、上手で感情がこもってて感動できる歌。
正直言って、僕は全部が全部ぴったりの歌には感動しないと思うんですよ。
個性がない、って言うんですかね。

青磁器のように全部が全部ぴったりじゃないけど、全体的に美しく収まってる。
ほんの小さな歪みが心地よい。まさに侘び。
そんな感じです。


そして最後にこいつ!

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「へうげもの」の主人公 古田織部が好んだこの水指
水指なのにヒビが入ってる。
でもこれがいいんです。
これを見た時は、「なんじゃこりゃー」って思いましたよ。
ヒビが入ってて、歪んでいるのに、それが面白いと思える。
これは、そのギリギリをついた陶器だと思います。
あまりに歪みすぎていると、やり過ぎ感、狙った感が出過ぎてうるさくなるし。
もっと整ってると、さっきの黒楽茶碗みたいな侘びになる。

これってヘタウマな歌なんじゃないかと思ったんですよ。
例えばブルーハーツの甲本ヒロトとか。
決して上手くはない、でも素人感もなく、ちょっと「上手い」からずれてて、それが良い味になってる。
むしろそれが心地よい、そんな感じです。


侘びの黒楽茶碗も好きだし、ひょうげた水指も好きです。

もう少しで上野でやってる茶の湯展も終わりですね。2017/06/04(日)までみたいです。

特別展「茶の湯」 日本の美の粋、茶の名品ずらり。


興味ある方は是非、実物を生で見てください!
2回目は漫画「へうげもの」を23巻まで一気に読んでから行って、感動は2倍でした。


そして図録も欲しくなって買っちゃいました。
また部屋が狭くなる、、、

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じゃあまた!