「はい、皆さん、スマートフォンをお持ちですね。2ページ目のQRコードを読み取って、サイトにアクセスしてください。」
市の職員が大勢の前で説明している。聞いているのは老若男女様々だ。
「登録が終わりましたら、活動の記録が開始します。ですが、暗号化されていて市の職員でも中のデータを閲覧することはできなくなっておりますのでご安心ください。閲覧可能になる例外としては、裁判所が出した令状を持った警察官だけですのでご安心ください。裁判でも関係のないデータの取り扱いは犯罪になってますので、そんなことをしたら警察が捕まります。」
椅子に座って聞いている人達は真剣な顔をしている。
「記録されたデータはWi-Fiが繋がっている時だけサーバに送る設定になってます。これが初期設定ですので、変更したい時は設定のこのボタンを押して、この項目のところから設定変更できますので、Wi-Fiをあまり使わない人はこちらから変更をお願いします。」
黒いフード付きパーカーを着たヒカリの父親もスマホをいじってアプリで登録操作していた。まだ少し若い頃の父親だ。
「生前退世(せいぜんたいよ)のタイミングは、活動記録を元に自動でAIが判断します。生前退世が決まると入院して頂き、寝ている間に苦しまずに退世となります。」
切腹特区 18話
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